秩父ふるさと村は、懐かしい田舎の雰囲気を味わえる体験型農場です。最初は秩父西谷津温泉旅館・宮本の湯の宿泊者向けに野菜を栽培していましたが、次第に「宿泊者や一般の方にも収穫の楽しさを共有したい」とのアイデアが浮かび上がり、農園体験や自然体験が可能な場所に変化していきました。
農園体験や自然体験では、かつて埼玉県警山岳救助隊で活躍した清水健久さんが指導役として登場します。彼は子どもたちの体験を暖かい視線で支え、秩父ふるさと村での特別な時間を提供しています。
3つのツーリズムが体験できる
秩父ふるさと村は、「ジオツーリズム」「グリーンツーリズム」「エコツーリズム」を中心に展開しています。ジオツーリズムが「自然体験」、グリーンツーリズムが「農園体験」、エコツーリズムが「ふるさと体験」に相当します。こうして、昔ながらの暮らしや未来への大切な価値観を、遊びを通して身体で感じ、学ぶ場となるよう取り組んでいます。
「自然体験では、川下りやハイキングなど、通常では経験できない自然の遊び方を指導しています」と清水さんは説明します。農園体験では、新鮮な野菜や果物を収穫し、それらを使ってピザや大福を手作りする楽しい経験ができます。ふるさと体験では、ヤギの散歩やニワトリの卵集めなどを通じて、昔の農村の生活を自然とともに感じることができます。
「体験コースのなかでも、竹細工の器や箸づくりは小学生に人気があります」と清水さんはうれしそうに話します。「昔の人は、竹でお皿や箸をつくって食事をしたんだよ」と子どもに伝えると、竹細工に夢中になるそうです。
自分で考え自然のなかで遊ぶことが体験できる
「現代の都市生活では、安全性の観点から昔ながらの遊びを許容しづらい状況ですが、子どもたちに一定の考える力を育む中で、危険を判断する経験も重要だと思います」と清水さんは述べています。
秩父ふるさと村は、全ての施設が整備された環境で、自然と触れ合いながら子供たちが興味を持つことができる場所です。清水さんの案内のもと、国指定天然記念物である「ようばけ」の周辺までハイキングしたり、流れの緩やかな川で遊んだりすることができる安心な環境が整っています。
