Gotica(ゴティカ）陶芸工房は、秩父市荒川にある古民家をリノベーションした、陶芸教室です。
体験型の陶芸教室として知られ、「明かりの家ワークショップ」では、参加者が自分だけのランプの家を製作することが可能です。
このワークショップは小学3年生から参加可能で、親子での参加者も多いそうです。講師のミカミヒロシさんによると、「明かりの家をつくる土にはタタラが使われます」と説明されました。
「タタラ」という名前はあまり聞くことがありませんが、粘土を板状に伸ばした特殊な素材です。
ミカミさんは、「家をつくるために適切なタタラの開発には、5年もの歳月がかかりました」と話します。陶芸では、土が非常に重要な役割を果たすとされており、さまざまな産地から粘土を取り寄せ、いろいろな配合を何度も試みながら、やっと納得のいく「明りの家づくりに合った粘土」にたどり着いたそうです。
作業に没頭できる自分だけの時間を楽しもう
明かりの家には、基本的な形が準備されています。まずはどの形の家にするか、サンプルを見ながら選びます。形によって家のサイズや見た目が少しづつ異なるため、どんな家にしようかと想像を膨らませながら選ぶと楽しいです。
はじめに、選んだ型紙に合わせてタタラを切り出していきます。次に壁や屋根を順番に組み立てていきます。
「壁側面の合わせ方で家のサイズが変わりますよ」とミカミさん。
どのサイズにするかは体験者の自由ですが、そこが重要なポイントなのだそうです。
「皆さん集中してつくられているので、創作中はあまり話しかけませんが、ポイントだけはお伝えします」と笑いながらミカミさんが教えてくれました。
確かに壁の側面を外側にはりつける場合と、内側にはりつける場合とでは家の形状が違うだけでなく、全体のイメージも変わります。水で溶いた粘土をのり代わりにして外観をはり合わせたら、ここから先は自由に家をつくります。
自然に包まれた工芸体験！楽しさがとまらなくなる明かりの家づくり
ミカミさんが大切にするのは無言の没頭する時間だそうです。
ワークショップ後半では、庭づくりが展開されます。家の位置や窓、ドアの配置、そして屋根の模様など、全ては参加者の自由です。
ミカミさんは、「個々の感性を最大限に引き出すことが重要なのです。無言で没頭する時間を多くの人に体験して頂きたい」と語ります。
ここでは、子ども時代に経験した集中力を再び味わえます。日常の喧騒から離れ、秩父の自然を眺めながら、静かな時間の中で工芸体験を楽しむことができる場所です。
オリジナル作品の誕生！最終工程はGotica(ゴティカ）さんにお任せ
作品が完成したら、屋根の色をピスタチオやターコイズなど数種類の色見本から選びます。その後の工程はミカミさんにお任せし、作品が割れないように補強を施し、何日もかけて丁寧に乾燥させます。
その後、素焼きや色付けを行っていただき、一番最後に本焼きをして完成させるそうです。
そして、自分の個性が表現された「世界にたったひとつの作品」が自宅に届くまでには、2〜3カ月かかるとのこと。この待ち時間も、作品への期待と楽しみが膨らむ、素敵な時間となるでしょう。
